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2026/09/12
(チェーンブログ:本に関して)河野多惠子『蟹』を読んで.2/3 (さしも草)
(「河野多惠子『蟹』を読んで 1/3」から続く)
そこで、河野多惠子のプロフィールを探ってみることにした。河野多惠子は女専(20回経済)の卒業生で、20代に肺結核を患い、闘病しながら39歳で結婚する。抑圧された青春に混沌とした戦後そして病気という、試練が重なる前半生を送っている。
彼女については、2023年、斐文会講座にて、帝塚山派文学学会の高橋俊郎氏に「河野多惠子と米谷ふみ子と富岡多恵子 ― 大阪府女専・大阪女子大の同窓から」の題で、講演をお願いしたことがある(斐文会報371号P6~7に高橋氏ご執筆の記事掲載)。講座で配られた資料を取り出してみた。その中に『蟹』の一部もあった。講座では高橋氏が作品を読みあげた。その朗々としたお声は今も頭の隅に残っている。最後の作品の『考えられないこと』には、女専時代の軍需工場への動員や、帝塚山への回想があるとのことだった。
『蟹』の最後に、私が、えっ?と思った場面がある。それは、蟹が見つからず、武が「ぼく、明日、おじちゃんが来たら捕ってもらうよ」と言った時、悠子が、「武ちゃん!どうしてそういうこと言うの」と武がびっくりするほどの声で返したシーンだ。悠子は、嫉妬だけでは無く、「武に蟹を探してやることに示した執心ぶり」を、おじちゃん(同棲相手の梶井)には知られたくなかったのだ。
(「河野多惠子『蟹』を読んで 3/3」へ続く)

斐文会報371号より
そこで、河野多惠子のプロフィールを探ってみることにした。河野多惠子は女専(20回経済)の卒業生で、20代に肺結核を患い、闘病しながら39歳で結婚する。抑圧された青春に混沌とした戦後そして病気という、試練が重なる前半生を送っている。
彼女については、2023年、斐文会講座にて、帝塚山派文学学会の高橋俊郎氏に「河野多惠子と米谷ふみ子と富岡多恵子 ― 大阪府女専・大阪女子大の同窓から」の題で、講演をお願いしたことがある(斐文会報371号P6~7に高橋氏ご執筆の記事掲載)。講座で配られた資料を取り出してみた。その中に『蟹』の一部もあった。講座では高橋氏が作品を読みあげた。その朗々としたお声は今も頭の隅に残っている。最後の作品の『考えられないこと』には、女専時代の軍需工場への動員や、帝塚山への回想があるとのことだった。
『蟹』の最後に、私が、えっ?と思った場面がある。それは、蟹が見つからず、武が「ぼく、明日、おじちゃんが来たら捕ってもらうよ」と言った時、悠子が、「武ちゃん!どうしてそういうこと言うの」と武がびっくりするほどの声で返したシーンだ。悠子は、嫉妬だけでは無く、「武に蟹を探してやることに示した執心ぶり」を、おじちゃん(同棲相手の梶井)には知られたくなかったのだ。
(「河野多惠子『蟹』を読んで 3/3」へ続く)

斐文会報371号より



I-siteなんば2階廊下書棚に、芥川賞作家の河野多惠子さん(専20経)、米谷ふみ子さん(大1国)からの寄贈書籍コーナーがあります。 I-siteなんば2階貸室業務終了となる2027年9月30日までに書籍を撤収する必要があり、希望者にお持ち帰りいただいています。 対象は、女子大出身のお二人の書籍のみ、他のものは対象外です。ご希望の場合は、斐文会講座、支部長会、評議員会、総会などのおり、斐文会事務局員にお声掛けください。