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上方文化講座「仮名手本忠臣蔵」を受講して (さしも草)

8月19~21日にかけて、大阪公立大学・森之宮キャンパスで文学部特別授業・上方文化講座2026が開講された。


当講座は、伝統芸能「文楽」を体系的に学ぶ文学部の正規の授業科目で、今年度は「仮名手本忠臣蔵」が、客員教授の竹本錣太夫(太夫)、鶴澤清介(三味線 今年度は竹澤宗助)、桐竹勘十郎(人形遣い)の三師と文学研究科教員により、多彩な講義と実演によって展開された。

今回は第20回記念として、客員教授の桂春雨師による落語の実演も盛り込まれた。

一般人に公開していることが特色だが、今回も募集人員150名を大幅に超えたようだ。参加できた者の責務として、以下に講座のあらましをまとめてみる。

 

<1日目>
久堀裕朗教授による赤穂事件の流れ、人形浄瑠璃と歌舞伎の比較、「仮名手本忠臣蔵」の解説、海老根剛教授による祐田善雄氏の文献紹介から人形浄瑠璃の「現在」を探った。

この一日で、「仮名手本忠臣蔵」の歴史的な背景、文楽と歌舞伎、また20世紀最大の浄瑠璃学者・祐田善雄氏について、知ることができた。
文楽の世界に吸い込まれるような感覚だった。

<2日目>
久堀教授により、「仮名手本忠臣蔵」(初段・三段目)を史料を基に講読した。その後、桂春雨師による「咄(はなし)」の講話、その中の「芝居咄」である「蔵(くら)丁稚(でっち)」の落語を楽しんだ。

午後の竹本錣太夫・竹澤宗助・桐竹勘十郎御三方のユーモアを交えた対談「太夫・三味線・人形の芸」では、芸を繋ぐご苦労、新作や文楽の未来ついて、貴重な芸談をお聞きすることができた。

桐竹勘十郎師からは、直前まで国立文楽劇場で上演されていた「チャプリンと文楽 時を越えた出会い」のお話を伺うことができ、なんとラッキーなこと。



<3日目>
午前中、菅原真弓教授の「仮名手本忠臣蔵」と「東海道四谷怪談」の作品について、齊藤紘子准教授の赤穂事件をめぐる近世史研究と新史料の発見について、それぞれのご専門による興味深い講義があった。

受講して、この文化講座が、「仮名手本忠臣蔵」を多角的に学問的に学ぶ正規の授業科目であることが、良く分かった。

午後、三師への質疑応答の時間が設けられる。
そしていよいよ、文楽「殿中刃傷の段」の上演である。

事前の解説や講読のお陰で、竹本錣太夫師の語りと竹澤宗助師の三味線の音をじっくり味わいながら、人間国宝・桐竹勘十郎師の至芸を、余裕をもって鑑賞することができた。


文楽に浸りきったこの三日間は、「夢のような時間」といっても過言ではない。まさに至福の時だった。

公立大学のこの様な事業を体験すると、女子大が無くなって20年が過ぎたが、そのことを憂うよりも、公立大学としての活躍を後押しすることが、我々の務めだと思うに至る。

新生・森之宮キャンパスは、まさにその発信場所として相応しく、今後の躍進が大いに期待されるステージである。教育・研究・社会貢献の三者一体の事業を推進する公立大学を、女子大の卒業生としてサポートしていければと思う。

講座を受講していた学生には、レポートが課せられた。私もこの感激を忘れないように、また一人でも多くの方にこの講座を知ってもらいたいと願い、拙文を承知で上記書き留めてみた。お役に立てば嬉しい限りだ。

 以上
 

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